こんにちは、イーエル訪問看護リハビリステーションです。
ケアマネや病院の退院調整室から依頼で看取りできますか?といった依頼をいただきます。

在宅看取りは、患者が住み慣れた自宅で最後の時間を過ごすための重要な選択肢です。このコラムでは、患者、患者の家族、そして医療者の視点から在宅看取りにおいて大切なことと意識すべき点をまとめます。

患者目線
尊厳の保持:
患者にとって、自分の意志が尊重されることは何よりも大切です。自分のペースで過ごし、自分の選択で終末期を迎えることが尊厳の保持に繋がります。医療者や家族は、患者の意向を尊重し、彼らがどのように過ごしたいのかを理解しサポートすることが重要です。

痛みの管理:
終末期の痛みは患者にとって大きな負担です。適切な痛みの管理は、患者の生活の質を向上させるために欠かせません。医療者は、患者の痛みをしっかりと評価し、適切な痛み止めを提供することが求められます。

精神的な支え:
終末期には精神的な不安や孤独感が伴います。医療者や家族が患者の気持ちに寄り添い、話を聞くことが大切です。また、宗教やスピリチュアルなサポートを提供することも、患者の安心感を高める一助となります。

患者家族目線
情報の提供と共有:
家族が患者の状態や治療方針を理解することは非常に重要です。医療者は、家族に対してわかりやすく情報を提供し、疑問や不安に対して丁寧に答えることが求められます。家族が状況を理解しやすいように、資料や説明会を活用することも有効です。

心理的サポート:
家族もまた、患者の終末期において大きなストレスを感じます。心理的なサポートを提供し、話を聞いたり感情を共有したりすることが大切です。グリーフケア(悲嘆ケア)を提供し、家族が感情を整理できる場を作ることも重要です。

実務的な支援:
在宅看取りにおいて、家族は多くの実務を担います。医療者は、介護の方法や医療機器の使い方などを丁寧に指導し、家族が安心してケアを行えるようサポートすることが必要です。また、在宅医療や介護サービスの利用方法を教えることも有益です。

医療者目線
多職種連携:
在宅看取りは、一人の医療者だけではなく、多くの専門職が連携することで成り立ちます。医師、看護師、薬剤師、介護士、ソーシャルワーカーなどが連携し、情報を共有しながら患者と家族をサポートすることが重要です。定期的なカンファレンスや情報交換の場を設けることが有効です。

柔軟な対応:
在宅看取りは、急な状況の変化がつきものです。医療者は、患者の状態に応じて柔軟に対応し、迅速に必要なケアを提供することが求められます。また、家族からの緊急の連絡に対しても、迅速かつ的確に対応することが重要です。

倫理的配慮:
終末期ケアには、倫理的な問題が伴うことがあります。患者の意志を尊重しつつ、家族の意向や医療者としての倫理観をバランスよく考慮することが求められます。倫理的なジレンマが発生した場合には、多職種チームで相談し、適切な対応を模索することが重要です。

まとめ
在宅看取りは、患者、家族、医療者それぞれの視点から多くの配慮が必要な取り組みです。患者の尊厳を守り、痛みや不安を軽減し、家族の心理的・実務的支援を行い、多職種連携と柔軟な対応で支えることが重要です。これらの要素を意識しながら、心温まるケアを提供することで、患者とその家族にとって意味ある時間を過ごすことができるでしょう。